最近、ホーローや漆、有田焼等を文字板に採用して2割から8割も高くした時計が多く見られます。
1920〜30年代は通常の文字板が変色しやすかったのでホーローを使用したスイス製高級時計は数多く見られました。
しかし焼き上がりや細工の具合で小秒針等、インダイヤルになっている文字板は合格点に達しない程、エッジの部分がダレています。
当店ではこの様な文字板の時計は取り扱っていなかったので、和紙の文字板は実物を見るまで不安でした。
しかし、ザ・シチズンの限定品AQ1060-56W真砂やAQ4042-01P砂子蒔きが到着して眺めると不安は消えました。
同じ模様は二つと作れない和紙の繊細さが表現されていました。
和紙が経年変化で変色するかもしれませんが、どの様に変わっていくのかも楽しみの一つになるでしょう。
愛称名の様に土佐和紙の採用により、日本のわび・さびの世界に入り込めます。
また、ザ・シチズンAQ1060-56W真砂、AQ4042-01P砂子蒔きの文字板は和紙と透明な上板の二重構造になっており、上板にインデックスなどが取り付けられています。
これにより、斜め横から時計を眺めるとCITIZENの文字とインデックスが宙に浮いている様に見えます。
これを見た時、南イタリアのランペドゥーザ島の宙に浮いた様に見える船が連想されました。
砂子蒔きは、金と同様に変色しない金色チタンケースを採用し、文字板には金箔を封じ込めた土佐和紙を使用しております。
私の様な凡人には考えもつかない素晴らしい発想です。